2023年3月度教室のご案内

★今月のテーマ:私は4人いる~ホールブレイン

~ ジル・テイラー女史の「全脳」理論を検討する ~

 

今から9年前、統心の初級ヌースレクチャー第3回でジル・テイラー女史を大きく取り上げたことがある。

 

ジル・ボルト・テイラー女史は1959年アメリカ生まれの女性、神経解剖学者。

 

彼女を有名にしたのは2008年のTEDでの講演。

 

2022年3月の時点でYouTube上で2500万回以上も再生されている、世界的にバズった動画だから見た人も多いでしょう。

 

38歳の時に彼女は脳卒中で左脳が停止する体験をする。

 

左脳の血管が破れて出血が広がり左脳だけ機能停止。緊急入院・寝たきり状態から復帰まで実に8年もの壮絶なリハビリが必要だったのだから、もの凄い体験談である。

 

しかしながら、彼女の話はそんな苦労話がメインではない。

 

苦労話とはむしろ真逆。左脳が停止することで、右脳オンリーになった「至福」の体験談なのだ。

 

その「至福体験談」が具体的かつ説得力を持って、いかなる宗教説法をも凌駕するほど人々の心を打った。

 

彼女の場合、血管破裂から左脳が完全機能停止に至るまで約4時間のタイムラグがあり、その間の経緯を脳科学者らしく自己観察できたのだ。

 

脳科学者が他人の脳ではなく自分の脳を研究対象にして、直接現地で調査をした世界初のケースといって良いだろう。それほど貴重な体験談である。

 

 

●私は4人いる・・・通俗的「左脳/右脳」理論との違い

 

私が2014年に彼女をレクチャーで取り上げた時は、ヌースで言う「人間の外面」を覚醒するということは「右脳優位の状態」に近い・・・と、その程度の理解であった。

 

だが今月レクチャーで取り上げるのは、彼女の最新刊『ホール・ブレイン(全脳)』、日本では2022年6月に発刊されたまだ新しい内容。

 

先月この本を手に取り、読んでみて多くの驚きと気づきを得ることになり、是非とも今月のレクチャーでシェアしたいと思ったのである。

 

 

この本の中で彼女は大胆に宣言する。「私は4人いる」と。

 

これには思わず膝を叩いた。なるほど!そうだったのか!

 

2008年に彼女が初めてTEDで講演をする時に、初めは学者としてある種の葛藤があったらしい。

 

それは彼女の話の結論が「左脳優位の生き方を止めて、右脳優位の生き方を見出しましょう」という内容だからだった。

 

というのも、この「左脳/右脳の2人格」という考え方がいわゆる脳に対する「通俗的理解」として、当時は学者として口に出すのも恥ずかしいぐらい、レベルの低い話になっていたそうなのだ。

 

いわゆる「血液型占い」を想定してもらえば良い。「血液型性質分類」は統心にとっては信頼性の高い科学なのだが、世の中にはびこる表面的な血液型性格論のお陰でいまだ「科学的根拠がない!」と叩かれる。これは全くの誤解なのだが、ここでは省略する。

 

 

●全ては分離脳の研究から始まった

 

これと同様に「左脳/右脳の2人格」という考えは、少なくとも学者の間では蔑まれていたらしい。

 

「左脳/右脳の2人格」という考えは1970年代に関心を集めたロジャー・スペリー博士の「分離脳手術患者の研究」に端を発している。

 

てんかん患者の危険な痙攣を止める為に、左脳と右脳を繋ぐ「脳梁」を切断するという大胆な手術があり、成功事例を重ねている。それが分離脳手術。

 

またこの手術によって脳を左右分離した患者を観察することで「それによって左右二つの脳半球がそれぞれ独立した意識を持っている」ことがスペリー博士の研究により明らかになった。この研究によりスペリー博士は1981年にノーベル賞を受賞している。

 

スペリー博士の画期的な研究によって「人間の脳は2つあり、人格も2つある」という偉大なる発見がなされたのに、その後の低俗な「左脳/右脳」論が流布されることで、この研究を深めようとする雰囲気が後退してしまったというのだ。

 

故にアカデミズムに身を置くジル・テイラー女史にとって、「左脳/右脳」論をぶっ放すことは、その後の立場を考えるととても危険なことだったのである。

 

それでも彼女は構わずぶっ放した。なぜなら「直接体験した」から。

 

そんな彼女が改めて言う。なぜ「左脳/右脳」論の誤解が広がってしまったのか。

 

 

●2つじゃない、4つなんだ

 

彼女によると、その原因は脳を安直に「左/右」2つで捉えたからだと。

 

ここに脳を解剖学的に知る彼女ならではの意見が出る。すなわち「2つじゃない、4つなんだ」と。

 

なるほど!そうだったのか!

 

「2つ」としか理解しなかったことが低俗的な理論を派生させてしまい、せっかくスペリー博士によって「脳が2つある」ことの本質的意義が発見されようとしたのに、そこで探究は止まってしまったのだ。

 

これに関してはテイラー女史はこう言う。

 

「左脳も感じる。右脳も考える。」

 

そうか!・・・「左脳は考える脳」「右脳は感じる脳」・・・これが思考停止を誘う低俗的理解。

 

そうではなく『左脳も感じる』し『右脳も考える』のだ。

 

だから「考える左脳」『感じる左脳』『考える右脳』「感じる右脳」の全部で「4つの人格(キャラ)」が生じることになる

 

これがテイラー女史の「全脳理論」の概略である。

 

これがどれほど凄い発想の転換であるか分かるだろうか。

 

「左脳/右脳」の「2人格」論で止まっていると・・・

 

要するに「葛藤」を解決できないのだ。

 

「2つ」だと解決できないどころか、さらなる葛藤と混乱を生み出すのだ。

 

そうではなく「4つ」なのだ。

 

「4」を見出すことが「真の理解=全体の理解」となり、その理解が「葛藤と混乱」に終止符を打つことになる。

 

 

●「全脳理論」と「ψ11顕在化」

 

テイラー女史の「全脳理論」が統心のヌーソロジー研究に取り込まれて「化学変化」を起こした。

 

統心は大胆に言い放つ。

 

人間型ゲシュタルト、その混乱と苦痛の正体は『感じる左脳』にある、と。

 

そして変換人型ゲシュタルトとは、他でもない『考える右脳』である、と。

 

『感じる左脳』と『考える右脳』を理解・認識することで「全脳認識」に至る。

 

「全脳認識」に至ることで、自分の中の二人が合一する。

 

先月取り上げた「人間」と「人間の反対」の二人だ。

 

この二人の合一こそが、今年から始まる「ψ11顕在化」の肝である・・・というのが統心・関西ヌースの睨んでいるところである。

 

 

どうでしょう。面白いとは思いませんか?

 

興味のある方は是非ともいらしてください。

 

マスク解禁・コロナ5類の春です。再び集いましょう。

 

初めての方大歓迎。そして久しぶりの方はさらに歓迎。

 

教室にてお会いできるのを楽しみにしております。

 

 

★3/21(火/祝) 京都教室ヌースライブ

場所:ウィングス京都 会議室11(地下)

午後1時半~5時

 

※今月は祝日のため昼間開催です。ご注意を。

 

◎京都教室はライブ感覚重視

統心のフリートーク中心に自由にやっています。

毎回楽しい会となり、とても好評です。

 

※京都は「場の変容」を体験する実験的ライブです!

 

 

★3/25(土) 大阪教室ヌースレクチャー

場所:大阪市立西区民センター 第4会議室

午後1時半~5時

 

※今回はいつもと違う「西長堀」です。

 

◎大阪教室はビデオ撮りするレクチャー形式

テキスト・スライドを作り上げ、構成しっかりで臨みます。

時間もゆったりで、アフターも楽しいです。

 

※構築美の大阪レクチャー、懇親会も盛り上がります!

 

※京都&大阪のW参加で意識進化をブースト!

 

 

・定員20名(まもなく制限がなくなります)

・マスクはもういらない(但し花粉症は除く)

・体調の悪い方はご遠慮ください(これは毎度のこと)

 

 

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