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2022年12月の方向性

テーマ:2022年総決算「知覚空間は開いたか?」

~年末サロンライブ「舞踏家・最上和子さんの講演」で確認する~

 

2022年もまもなく終わろうとしている。

 

今年は2013年から数えて10年目、「ψ10感性」の顕在化の年。

 

年初から統心と関西ヌースはこの目標を掲げて歩んで来た。

 

 

・とりかえばや物語~日本初の男女逆転物語

 

・ロゴス的知性とレンマ的知性

 

・ニュートン光学とゲーテ色彩論の対立

 

・ウクライナ戦争に見る「二つの悪」の対立(物質悪アーリマン vs 精神悪ルシファー)

 

・内破(求心性の渦)と外破(遠心性の渦)

 

・カント哲学「現象とモノ自体」からマルクス・ガブリエル「新実在論」

 

・中動態の研究、「能動-受動」から「能動*-中動」の発見

 

・思形(真偽)と感性(善悪)を統合する美学(美醜)

 

 

すべては「ψ10感性」の顕在化・・・「知覚空間を開く」を目指して

 

ひたすら「前」に導かれるまま、道無き道を歩み続けた。

 

そんな2022年最後の月、12月17日土曜日

 

恒例のヌーソロジーサロンでは3ヶ月に1度のゲストライブ講演があった。

 

講演者は舞踏家・最上和子さん。

 

最上さんと言えば「映画監督・押井守氏のお姉さん」として知られる。

 

押井監督と言えば我が青春の作品「ビューティフルドリーマー」

 

当時の大人気マンガ「うる星やつら」の映画化第一弾

 

中学3年生の超多感な時期に映画館で没入した、忘れられない青春の記憶。

 

でもそんな事は最上さんと1ミリも関係ない。

 

押井監督と顔がそっくりだなぁ・・・と脱線はここまでにしておく。

 

 

そう、サロンライブでの最上さんの講演はとてつもないものだった。

 

とてつもなく凄かった。ただただ凄かった。

 

この1年の歩みがすべて繋がった。

 

関西ヌーソロジー研究会の10年の歩み

 

ヌーソロジー探究13年のすべてが繋がった。

 

その「答え合わせ」の様な時間だったのだ。

 

 

ヌーソロジー探究を通して、統心が単独でやってきた悪戦苦闘の日々が全部報われた気がした。

 

最上さんも全く同じ事をしておられたのだ・・・と心底思った。

 

最上さんの言葉を少し紹介する。

 

サロンメルマガに掲載された最上さんの挨拶から。

 

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こんにちは。舞踏をしている最上といいます。

 

普通の踊りは自分の外側に動きを作って行きますが、

 

私のしている踊りは内発といって身体の内側から動きを立ち上げていくものです。

 

身体の内側とは単純化して言うと哲学で言う内在野・内包量のことであり、無意識の世界です。

 

この手続きを踏むことで踊り手は強く空間を意識するようになり、

 

そこに既にある空間ではなく、新たに別次元の空間を生成していくようになります。

 

このようなことについて具体的・経験的に語っていきたいと思います。

 

皆さん、どうぞよろしくお願いします!

 

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いかがだろうか。

 

思えば統心のヌーソロジー探究の日々はすべて「内発」だった。

 

関西ヌーソロジー研究会の毎月の教室も

 

ブログ執筆や講演、動画配信やオンライン講演も

 

すべてが「内発」であり、統心なりの「舞踏」であったということに気づいた。

 

そしてそれは「身体空間」を開くための苦闘の日々でもあったのだ。

 

最上さんの講演を聴いて「内在=身体」ということがはっきり分かった。

 

 

40歳で舞踏を志された最上さんは、たった独りで道なき道を開拓して行かれた。

 

師もなく教科書もなく、稽古といっても何をしていいか分からない。

 

全く前人未踏の道・・・最初は「ただただゆっくり動く」ということに没頭されたと。

 

普通の動作を10倍、100倍の時間をかけて「ゆ・つ・く・り」と動く。

 

そんなバカな事・・・普通はできない。だからいい稽古になるのだろう。

 

寝て起きるのに2時間以上かける・・・のも稽古。

 

分かる。めちゃくちゃ分かる。ボク、毎朝やってる(←違うだろっ!ただ寝起き悪いだけ)。

 

 

とにかくただひたすら、自分のカラダと向き合うのだということが分かる。

 

ひたすら内在、ただただ内在・・・

 

だから最上さんの言葉は気持ちがいい。まったくブレがないのだ。

 

 

「舞踏と言えば、山海塾とか、暗黒舞踏が有名ですが・・・」と尋ねると

 

「まったく興味ない」と最上さん。

 

ここにも大いに共感した。

 

山海塾とかは舞台芸術として確立され、多くの人から社会的評価を得ている。

 

だが最上さんの舞踏は「それ」ではないのだ。

 

その方向性ではない・・・ということ。

 

最上さんは、ひたすら「奥行き」なのだ。

 

 

そして講演では最上さんが舞踏で得た経験と確信が様々に語られる。

 

そのどれもが驚くべき・・・「全部ヌースやん」。

 

ヌーソロジーが説く空間認識そのものなのだ。

 

最上さんはヌーソロジーの「ヌ」の字も持たず

 

舞踏をするにあたっては、いったんすべて言葉を捨てたと。

 

ただただ「内在=身体」と向き合うだけで

 

顕在化の道を歩んでこられたのだ。

 

これぞ正しく「知覚空間を開いて」こられたのだ。

 

 

でもそんな最上さんが、「身体だけでは限界がある」ときっぱり。

 

行き着くところまで行って、起きるのに2時間かけて

 

100分の1のスピードで動いて、ひたすら身体に向き合って

 

さまざまな恍惚体験を得て、知覚空間を開いて来た最上さんが

 

「理論が必要」「だからヌーソロジーは素晴らしい」

 

とはっきり言って下さっています。

 

そんな事も含めて、この日の講演は

 

統心にとって「すべてが確かめ算」な時間でした。

 

凄かった。ああ、本当に凄かった。

 

2022年最後の月を飾るにふさわしい、最上さんのサロン講演でした。

 

 

ということで、今月の勉強会では

 

此度の最上さんの講演を軸に

 

2022年「ψ10感性の顕在化」「知覚空間を開く」の方向性にそって

 

今年取り扱ってきた全てのテーマを総決算したいと思います。

 

 

最上さんがそうであり、統心もまたそうであったように

 

何気ない日々の生活のすべてが「稽古」です。

 

そしてその方向性は「舞台芸術」として喝采を浴びることではなく

 

ただただ「身体空間を開く」ためのものです。

 

これこそ正しくヌース。ヌーソロジーの実践。顕在化の道。

 

だから誰もが「いま・ここ」で取り組めるのがヌーソロジー。

 

いつまでも永遠に取り組めるのがヌーソロジーなのです。

 

 

最後に最上さんの公式ホームページからメッセージを抜粋

 

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身体・霊性・生と死、そのような問題に真っ向から取り組んだものであり・・・(中略)・・・

 

身体こそは人間に残された最後の土地です。

 

そこには「畏れ」と「希望の光」があります。

 

これからの時代の革命は、大騒ぎすることのない、

 

音もなく流れる地下水のような、静かなる内的なものになるでしょう。

 

永久革命と言えるかな(笑)

 

人間はもう限界に達している。

 

新しく更新された生を人間は獲得しなければならない。

 

それだけ切羽詰まっているのです。

 

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2022年を共に締めくくり、2023年へと繋いでいきましょう。

 

忘年会も兼ねて集まりましょう。

 

誰でも気軽に遊びに来て下さい。お待ちしています。

 

 

★12/20(火) 京都教室ヌースライブ

場所:ウィングス京都 会議室11

午後6時半~9時

 

◎京都教室はライブ感覚重視

統心のフリートーク中心に自由にやっています。

毎回楽しい会となり、とても好評です。

 

※京都は「場の変容」を体験する実験的ライブです!

 

 

★12/24(土) 大阪教室ヌースレクチャー

場所:江之子島文化芸術創造センター Room8

午後1時半~5時

 

※今回はいつもの場所「阿波座」です。

 

◎大阪教室はビデオ撮りするレクチャー形式

テキスト・スライドを作り上げ、構成しっかりで臨みます。

時間もゆったりで、アフターも楽しいです。

 

※クリスマスのレクチャーですね。忘年会をしましょう。

 

 

・定員20名

・マスクはご自由に

・体調の悪い方はご遠慮ください

 

 

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